2008年6月7日土曜日

国際コンサルティングアクチュアリー会の議長に就任


先月Bostonに出張した学会のなかで、5月5日に国際コンサルティングアクチュアリー協会(International Association of Consulting Actuaries; IACA)の総会が開催され、執行委員会(IACA Committee)の2年に一回の選挙が行われ、新たに、各国から次の委員が選任された。
Barbara Addie of Canada, Zainal Abidin Mohd-Kassim of Malaysia, Michael Codron of South Africa, Grace Jiang of China, Kenneth Hohman of the USA, nominated by the CCA, Nicholas Salter of the UK, nominated by ACA, Gerd Warnke of Germany
現在のメンバーと会わせて、定款で定める18人のSlateが承認された。引き続き、役員の選挙が行われ、私が議長として選任された。役員は、次の5名である。


Chair – Hideyuki Yoshida (Japan)
Past Chair – Mike Toothman (USA)
Vice-Chair – Ken Buffin (USA)
Secretary/Treasurer – Morten Harbitz (Norway)
Executive Director – Margaret Sherwood (USA)

なお、定足数の関係で、これは、後にemailで全員の投票で確認された。新任の議長として、私は次のスピーチを総会の最後に行った。
Incoming Chair’s Comments – Hideyuki Yoshida
Hideyuki thanked the outgoing officers and outgoing Committee members for their work.
He plans to focus on the IACA function committees’ goals and activities and continue to move IACA forward.The next IACA Meeting will be 7-12 March 2010 at the ICA meeting in South Africa. The IACA Committee will begin preparations for this meeting at its 14 June 2008 meeting in Quebec.

また、5月5日の夜は、IACAの創立40年を兼ねて、各国の著名なコンサルタントを招待して、晩餐会を開催した。この場で、正式に、前議長のMike Toothmanから私に議長のメダルとGavel(議長の小槌)が引き渡された。(写真)
来週の6月10日からカナダのQuebec Cityで次回の会議が開催されるが、そこから実際に私が委員会を議事進行していく重要な責任を持つことになる。
参考に国際アクチュアリー会のURLは、次のとおりである。
http://www.actuaries.org/

2008年6月2日月曜日

創業記念日で休日

今日は、会社が創業記念日なので休日であった。久しぶりの休みを利用して健康診断で大腸の内視鏡検査をしてもらった。前の晩から下剤を飲んで、朝から2リットルもあるニフレックという液体を2時間かけて飲む。そして、腸の中をきれいに洗浄した状態で近くの大学病院で検査をうけた。過去にも経験があるので、パニックにはならないがやはりあまり気持ちの良いものでない。でも、結果はポリープも検出されず、無罪放免となったので、昼飯に好物のいか天ぷらうどんを食べた。帰りはややフラフラしていたが、付き添ってくれた妻に感謝。あしたは、私の国際関係委員会の開催日で、東京の外人プロフェッショナルも入れての、国際討論をするフォーラムの年度計画の検討をする予定だ。日本の金融・保険・年金制度について徹底した議論を英語でする道場として、人材を育てるのも大きな目的だ。そして、今の日本の制度にどのような問題が根底にあるのか、トピックを選んで、青い目のプロの意見を聞き、日本人のオピニオンリーダーと議論を戦わせる。結果は、記録して日米で出版するつもりだ。その後は懇親会にしているが、検査の結果問題がなかったので、飲み放題で日本語と英語交じりで20名程の同志達と語らうのが楽しみだ。

2008年6月1日日曜日

30年ぶりのBoston


1970年代半ばにボストンで学び、30年以上のときが流れた。当時5年間の苦学を経て日本人の保険業界人として、初めて米国のアクチュアリー会の正会員資格を取得した。資格は、Fellow of Society of Actuaries(FSA)とよばれるもので、アメリ人でも7、8年はかかるものである。Society of Actuariesについては、次のリンクを参考されたい。
http://www.soa.org/
今年のゴールデンウィークにアクチュアリー関係の国際学会出席のために久しぶりに渡米した。チャールズ川は、相変わらず青く美しい。ハーバードスクエアも以前よりにぎやかだ。ジョンハンコックタワーのミラーグラスがあたかも新築のビルのように輝いている。コプレイプラザあたりが、随分と再開発されたが、クリスチャンサイエンスセンターの水槽プールとボストンシンフォニーに近い、自分の住んでいた赤レンガのアパートは今も残っていた。5月のこの季節は梅雨のないボストンに一気に初夏の季節を感じさせアイビーと赤レンガが調和する。20歳になった娘を、初めてのアメリカ旅行の経験に連れて行って、これがお父さんの勉強した場所だよと教えた。当時私は、アメリカの財団の奨学金で週40ドルくらいの小切手を送ってもらって生活していた。国際電話など、とても高くて月に一回も日本に電話できなかった。日本人は、まだまだ貧しかった。インターネットはおろか、ワープロもまだなく、秘書の業務はタイピストという感覚だった。アメリカ人は、寿司・さしみなど全く食べなかった。日本人の食べているものを見て、なんと野蛮な人種かといわれたものだ。今は、全く違う。ニューヨークでも寿司はヘルシーな高級料理だ。当時、アメリカは圧倒的に豊かな国に感じた。1980年代のバブルで一見日本は経済大国になったかに思えたが、それは泡と消えた。学会では、アメリカの財政収支、メディケア、ユニバーサル健康保険などを基調講演した学者がいた。国防費より医療費のコストが重い。日本もアメリカも財政的には似たような課題を抱えている。大きく違うのは金融・会計系のグローバルスタンダード作りのリーダーシップ力において日本は、大きく取り残されていることだろう。国家百年の計は教育にあるとは実感である。世界をリードするスタンダードを創造できる頭脳を生み出す教育とその実験場となるインフラや市場をグローバルにリンクされた中で活躍できる人材を輩出することが急務である。学会の発表者の資料は、以下のリンクにある。
http://www.actuaries.org/Boston2008/Program_EN.cfm