2008年12月26日金曜日

Holiday Greetingsとアクチュアリー試験ご苦労様



本日は、12月26日で事実上の御用納めだ。クリスマスは皆さんどのように過ごされたでしようか?若手のアクチュアリーの人は、可愛そうに、彼女や彼とデートもできずにアクチュアリー試験がこの3日間行われていた。結果はともあれ、ご苦労様でした。また、若手が不在であった期間の上司の方々も人手不足の折、お疲れ様でした。私は、子供が小さい頃は、24日の夜はクリスマスケーキを買って帰るのがお父さんの役割で、保険会社で課長をやっていた頃までは、場末のケーキ屋さんで帰りに買って帰宅したのが懐かしい。長女は、今年から社会人になり、自分でアパート暮らしをはじめた。次女はまだ大学生だが、友達同士でパーティーのようで、夫婦で、二人だけのクリスマスを静かに過ごした。ケーキは、お互いに過食気味でダイエット中なので、敬遠していたが、さすがにクリスマスイブには、小さいのを一個買って帰った。めっきり寒くなったので、妻に襟巻きと手袋をプレゼントに買って帰った。
今日は、しばらくご無沙汰していた、大学の同期の御茶ノ水女子大の真島教授からメールをいただき、今、国立科学博物館で、日本の科学者技術者展シリーズ第7回に、「数学 日本のパイオニアたち」が開催されていることを教えていただいた。この週末にでも見に行って見ようと思う。金融工学の発展に偉大な貢献をしたガウス賞受賞者の伊藤清先生などはどのように解説されるのであろうか?米国のサブプライム問題を発端に、世の中は、未曾有の世界大恐慌に突入した。これは、なにも金融工学が悪者というわけではない。今週出版された週間ダイヤモンドの2009総予測で、金融危機関連の記事が沢山あるが、著名なヘッジファンドのジョージ・ソロスは、「欠陥抱える金融システム規制に立ち戻れ」という論説を出している。冒頭、彼は、今回の金融危機は、OPECによる原油価格の値上げといった、何らかの外的ショックによってひきおこされたのではなくて、これは金融システムそのものが生み出した危機なのだといっている。この「金融システムは、もともと欠陥がある」という事実は、一般に正しいとされる理論、つまり金融市場は均衡値に向かって収斂していくものであり、均衡値からの乖離はランダムに起こるか、でなければ市場が簡単には適応できない突然の外的事象によって引き起こされるという理論と矛盾する。今回の危機は、現行の市場規制が立脚するこの理論の根本的間違いを立証したことになる。
ソロスは、市場価格とその背後にある現実との双方向の循環的なつながりを「再帰性」と呼ぶ。そして、金融市場はつねに再帰的であり、均衡値から時として大きくかけ離れると主張している。つまり、金融市場はバブルを生みやすい。そして、今回は遥かに大きなスーパバブルの崩壊が起こったということである。ソロスは、対策も述べている。規制当局はマネーサプライのコントロールに加えて、与信状況を考慮する必要がある。今日の複雑な金融工学を駆使した金融商品は、発売前にしかるべき当局に届け出て承認を得るべきであるという。これは、国際的規制でなされねばならない。一方で、規制の行き過ぎにも釘を刺している。市場は不完全だが、規制はもっと不完全だ。規制当局は、神ならぬ身であるだけでなく、政治的な影響を免れない。規制は、安定を維持するために必要な最小限のものに抑えなければならない。大いに耳を傾ける価値がある見解と思う。

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